こんにちは、株式会社KNOCK動画マーケティング部です。 先日、弊社クライアントから以下の質問を頂きました。
「動画マーケティングを行いたいのですが、消費者に対して効率的かつ有効にアプローチする方法が分からないです。何かいい方法はないでしょうか?」
確かに無駄な予算をなるべく使わずに動画マーケティングを成功させたいと思う方も多いのではないかと思います。
そこで今回は、動画マーケティングをより効率的かつ有効に進められる3H戦略について、 株式会社KNOCK動画マーケティング部がわかりやすく解説します。
株式会社KNOCKでは、累計登録者数350万人越え、月間視聴回数1億回以上の実績を有しています。
チャンネルを始めたい・伸ばしたい、現在社内で運用しているが成果が出ずに困っている企業様はぜひお問い合わせください。
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目次
始めに
Googleは2014年に3H戦略(別称:HHH、3Hストラテジー、3Hコンテンツストラテジー)を提唱し日本でも様々な反響を生み出しました。
その3H戦略というものが動画マーケティングに活用できるということを皆さんはご存じでしょうか。
例えば、近年動画マーケットの中でも人気沸騰中のYouTubeはレッドオーシャン化しつつありますが、有名YouTubeを多く抱える株式会社VAZの森泰輝社長は、「競争が激しくなっているYouTube界ではこの3H戦略を活用することが本質的な施策である」としています。(参照:https://bizspa.jp/post-303272/3/)
そこで今回はこの「3H戦略」について深く掘り下げて解説していきます。
※この記事は文量が多くなっていますが、見ている方にとって必要な情報を網羅しているものとなっているので予めご了承ください。
3H戦略が生まれた背景
先程も軽く触れましたが、3H戦略が生まれたのは動画を使ったマーケティング施策を企業が取り入れるという現象が増え始めた2014年です。
Googleがその考えを生み出した背景には今では当たり前となった「デジタル社会の興隆」が大きな要因となっています。
デジタル社会が発達していく中で、消費者側は自分の好きなタイミングで情報を集められるようになりました。
そうなることで何が起きるのかというと、消費者側は情報の良し悪しを他人と共有し、議論するようになるのです。
つまり、情報の民主化が起きたことで生産者側は消費者をコントロールできなくなるという現象が生まれました。
そうした環境下で、生産者側が発信するメッセージは消費者側にとって興味を持たせるような価値あるコンテンツでなければならない状態になりました。
では、どうすればそのようなコンテンツを作れるのかというと、常にターゲットとなる消費者の行動心理を理解することが大切になってきます。
そこでGoogleは動画マーケティングが興隆してきていることを踏まえ、YouTubeの視聴傾向を分析し、視聴者が好む動画の種類を大きく3つに分類し、生産者側に対して役立てようとしました。
その分類されたものが「3H戦略」であり、動画マーケティングにとどまらずあらゆるコンテンツで役に立つ考え方になります。
以上が3H戦略の生まれた背景です。
次に3Hとは何かを具体的に解説していきます。
3Hとは
Hero
Heroコンテンツとは「人が持つ普遍的な欲求を刺激し、共感、共有、認知などを生み出して行動のきっかけとなるようなコンテンツ」のことを指します。
ここではより多くの見込み顧客を作ることが大きな目的であり、面白い、感動するような人の心を動かすコンテンツで興味を惹くことを心掛けることが大切です。
例えば、NIKE FootballのCMでは見事に人々の心を動かすようなCMを作成しています。
このCMはサッカーを知っている人々にも衝撃を与えるものであり、更にサッカーに興味が無い人もより関心が増すようなコンテンツとなっています。
「もしあなたがプロサッカー選手だったら」というコンセプトの元、一人称視点でストーリーが進んでいきます。
厳しい練習を続け、チャンスをモノにし、ときに調子に乗り、挫折を繰り返しながら少しずつステップアップしていく作品であり、大物選手を多数起用することでよりアピールできるのもポイントです。
Hub
Hubコンテンツとはその名の通り、「消費者と生産者を繋ぐ中心として機能するコンテンツ」のことを指します。
ここでは顧客に対して、ブランドがより身近に感じる世界観や価値観を意識したメッセージを含んだものを提供することが大切です。
消費者はHeroコンテンツを見た後にこのHubコンテンツを見ることが多いので、多くの層のニーズに合うように様々なジャンルのコンテンツを用意しましょう。
例えばサントリーもYouTubeチャンネルではビバレッジを中心として顧客を獲得していることを想定した上で、料理、スポーツ、音楽、エンタメなど様々なコンテンツの動画を配信してより多くの顧客に対するニーズを満たそうと取り組んでいることが分かります。
このHubコンテンツでは顧客だけでなく見込み顧客に対してもより多くのニーズに対応できるので、非常に重要なフェーズとなっています。
Help
Helpコンテンツもその名の通り「顧客に対して具体的なニーズに答えていくコンテンツ」のことを指します。
具体的には、Q&Aや、操作方法の解説、アフターフォローなどのお悩み解決や欲求の解決が中心になってきます。
このフェーズでは既に顧客になってもらっている人々にリピーターとなってもらうことが目的です。
例えばソニーのYouTubeチャンネルではカメラの使い方や商品レビューなどを動画で解説していて、顧客に対しての悩み解決に答えています。
そうすることで顧客は通常の満足度を上回る好感度を得ることができます。
3H戦略の重要性
3H戦略が生まれた背景でも既に述べていますが、情報過多なデジタル社会において価値のない情報というものは淘汰されてしまいます。
そうなるとただ単に消費者に情報を一方通行で発信していても徒労に終わってしまいます。
動画マーケティングで消費者に対してより訴求力を高めたいとなると、3H戦略の中ではHubコンテンツとHelpコンテンツが特に重要になってきます。
なぜならこの2つは消費者にとっての期待値以上のニーズを満たせる可能性がとても高く、繰り返し閲覧されるものになってくるからです。
HubコンテンツとHelpコンテンツは生産者と消費者の対話の中で生まれるもので、消費者が望んでいるであろうことを調査したり、直接もらうフィードバックなどを基にニーズを認知して、生産者はそれを解決します。
Heroコンテンツはより多くのターゲットを獲得する目的では重要ですが、そこで見に来てくれた消費者を確実に顧客として獲得するためには、HubコンテンツとHelpコンテンツを見てもらうことが大切なのです。
3H戦略は分かりやすく3つのフェーズに分かれているので、動画マーケティングにおいては効率的かつ無駄な予算を使わずに消費者に対して訴求できる点で重要であると言えます。
3H戦略を理解するためには
3H戦略を理解するには、カスタマージャーニーを用いると分かりやすいです。
カスタマージャーニーとは、消費者がどのように商品やブランドと接点を持って認知し、関心を持ち、購入意欲を喚起されて購買や登録などに至るのかという道筋を旅に例え、消費者の行動や心理を時系列的に可視化したものを指します。
分かりやすくフェーズを表現すると以下のようになります。
認知・興味→情報収集→比較・検討→購入→利用→リピート
このように細かく段階分けすることで、どの段階で消費者がどのような悩みを抱えているかを理解することができます。
Heroコンテンツは認知・興味の段階、Hubコンテンツは比較・検討の段階、Helpコンテンツは購入以降の段階に当てはまります。
先程述べた3Hそれぞれと照らし合わせて見てみると理解が深まるかと思われるので是非参考にしてみてください。
3H戦略とYouTubeの関係性
YouTubeはGoogleの傘下ということもあり、それぞれのアルゴリズムには繋がりがあります。
そのため、Googleが提唱する3H戦略はYouTubeにも当てはまりやすい戦略になってきます。
最近ではYouTube上に様々な企業チャンネルが増えてきましたが、Heroコンテンツがほとんどであるように見受けられます。
そこで集客ができたとしても最終的に顧客になってもらい商品を購入してもらう地点に至らなければ、多くの制作費を要して作成したコンテンツを上回る利益は生み出せません。
そこで、HubコンテンツとHeroコンテンツをどのように企画に落とし込んで、他チャンネルとの差別化を図っていけば良いのかということを具体的に解説していきたいと思います。
Hubコンテンツ
Hubコンテンツに関してはHeroコンテンツから流入してくるフェーズであるので、Heroコンテンツで宣伝した商品やサービスなどの効果的な使い方や便利な点を分かりやすく伝え、より魅力的に映るようにして期待値を上げるようにすると良いでしょう。
そうすることで消費者の姿勢は前のめりになり、購入意欲が高まります。
動画を何本かのパートに分けて制作することで継続して見てもらえる可能性が高いので、内容を数本に分けるのも一つの手段になってきます。
ここで強引な売り出し方をしては継続して見てもらえない可能性が高いので、あくまでも商品やサービスを得ることで消費者にどんなメリットがあるのかを客観的に伝えることを意識すると良いです。
Helpコンテンツ
Helpコンテンツでは獲得したリピーターを留めておくためにも、顧客から直接届いたお問い合わせやコメント欄の意見をもとにハウツー動画やQ&A動画を作成すると良いでしょう。
どんなに完成度の高い商品やサービスを提供していたとしても、不具合や問題点が出てくるものです。
それらに対して真摯に対応して印象を良くすることで、根強いリピーターを獲得することができます。
顧客とのコミュニケーションを大切にする企業は自然と消費者が集まってくるものです。
3H戦略とマイクロモーメントの関係性
Googleには3H戦略の他に、マイクロモーメントと呼ばれるマーケティングの考え方があります。
意味としては、【人々が「何かをしたい」と思い、反射的に目の前にあるデバイスで調べたり、購入したりという行動を起こす瞬間です。マイクロモーメントを的確に「見極め」、生活者が求めている情報を「届け」、そして効果を正しく「測定」すればモバイルが生み出す価値を最大化することができます。】(参照:Google)
とあります。
例えば、消費者が鍋物を食べたくなってくるのは少し肌寒く寒くなってきた頃です。
その時期が近づいてきたら自社サイトや広告などに鍋物の商品を大々的に載せると、消費者は購買する可能性が高くなるというものです。
この考え方は、3H戦略のどのフェーズのどのタイミングでコンテンツを発信していけば良いかということがマイクロモーメントの考え方を活用することで分かります。
つまり、3H戦略と併せて、消費者が自社の商品やサービスと関連した行動を起こす瞬間を想定するマイクロモーメントの考え方もマーケティングにおいては有効的であるということです。
消費者がどのタイミングで自社の商品やサービスとぶつかるかという接点は、GoogleのキーワードプランナーやGoogle検索のサジェスト機能を利用する事で分かります。
この2つの考え方を一緒に合わせることで、より効果の高い動画マーケティングが行えるのでぜひ活用してみてください。
3H戦略についてまとめ
ここまで読んでくださった方なら理解できていると思いますが、動画マーケティングにおいてバズることだけに執着していては本質的な成功を得ることは難しいです。
仮にHeroコンテンツで多くの消費者を集めることができても、そこで止まってしまい次のフェーズに消費者を誘導することができず、折角集めた消費者を取りこぼしてしまうことになります。
そのようにならないためにも、3H戦略の3フェーズをしっかりと理解して消費者に訴求していく必要性があります。
現状Heroコンテンツしか無い状態であるのならば、HubコンテンツとHelpコンテンツを用いてより多くの消費者に対する受け皿を用意すると、Heroコンテンツの効果が高まります。
その際にYouTubeチャンネルがあれば顧客獲得に繋がりやすくなり、動画マーケティングの成功へと近づくでしょう。
また、3H戦略に則って動画制作を行っていけば、無駄に多くの動画を作る必要性が減るため、動画マーケティング自体にかかる費用も抑えることができることも大きなメリットとなります。
様々なコンテンツで溢れている情報過多な世の中では、常に情報の取捨選択がされています。
消費者と継続的に関係を構築するためには、現状把握し、消費者とどのような関係を築いていくのかという方向性を定め、ブランドの歩む道筋を想像しながら消費者と対話する形でコンテンツを制作すること大切であるということを忘れないようにしましょう。
3H戦略についてのまとめ
今回は動画マーケティングに活用できる3H戦略について解説しました。
- まとめ
- ・3H戦略とはHero、Hub、Helpの3つのコンテンツのこと。
- ・3H戦略の理解には、「カスタマージャーニー」が有効。
- ・3H戦略はYouTube、マイクロモーメントと親和性が高い。
この記事を参考にぜひ3H戦略を活用してみてください!
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